作家の幸せ

自分は何度もラノベ文化を理解しようとして果たせずにいます。
心の底から好きになれたラノベというものに未だ出会えません。
そんな私が言うのは生意気ですが、とても嬉しい事を知りました。

いつものように「駿河屋」でネットショッピングを楽しもうとサイトを覗いたら、見覚えのあるラノベが紹介されてました。
『ゼロの使い魔』です。
21巻目って書いてあるみたいだけど… これって最新刊!?
原作者のヤマグチノボルさんは既にお亡くなりのはずでは?
目を疑いましたが、紛れもなく新刊です。作者名も同じ。
氏の遺稿が残っていたのかと思い調べてみました。
やはり本人ではなく、代筆の人が名を伏せて書いたようです。
(ああ、やはり…)
少し残念に思いましたが、その評価に仰天しました。
☆5つの満点がずらりと並んでいるじゃないですか。


『ゼロ魔』を好きかと言われたら、「はい」とは言えません。
好きになろうと努力した、というのが正直なところです。
ヤマグチさんの事は高く評価しています。『魔界天使ジブリール』のシナリオはエロゲ史上最高レベルだと思ってます。
(何度プレイしてもラヴリエルエンドにしかならないが)
その魅力が『ゼロ魔』では出せてない、というのが私の偽らざる評価。
でも、そんな事は問題じゃありません。
今もこんなに『ゼロ魔』が、そしてヤマグチノボルさんがファンに愛されているのが、素直に嬉しいのです。
私がそのファンの輪の中に入れないのは残念ですが。


代筆の方、本当にご苦労さまでした。読者の評価を読めば、貴方がヤマグチさんへの敬意をもって最善の努力をしたのがわかります。
出版社が単なる追憶ではなく営利目的でこの本を出したのは承知しているし、私は『ゼロ魔』のファンじゃないけれど、それでもヤマグチさんのファンとして言わせてください。
「ありがとう」と。
そして『ゼロ魔』ファンの皆さん、
あんたら最高だ!


こんなにもファンに愛され続ける作家は幸せだと思います。


麻雀って楽しいよね

先週末に見たDVD、Part3。
レンタル屋で借りた3本のDVDを堪能してきました。3本目はアニメです。

そのアニメに興味が沸いたきっかけは、セガのゲーセンで友人がやっていたMJでした。
そのマージャンゲームで『咲-Saki』というアニメとのコラボイベントをやってたんです。
AnAn終了以来ゲーセンでヒマを持て余してた私は友人のプレイを眺めながら、空いてる筐体に映し出される『咲』の映像を横目で見てたんですが、それがやたら面白そう。

マージャンには珍しい美少女マンガ。
そしてマージャンアニメと思えぬ過剰な演出。
一見ふざけたアニメながら、萌えシーン、バトルシーン、いずれも演出のセンスがいいのです。
一度本編を見たいと思っていたそのアニメをレンタル屋でようやく見つけました。



不自然なまでに美少女ばかりが登場するお決まりの展開ですが、要所要所できちんとドラマになってます。
マージャンを打つシーンは咲たちの打ちまわしがいちいちかっこいいのですが、意外にちゃんと打ってます。
おそらく原作がそれなりにきちんとしているのでしょう。
点数計算もできない私は「すげー」と思いながら見てました。

ストーリーは正統派の成長ドラマそのもの。
ライバル達の個性や頑張りもキチンと描かれています。
絵柄は可愛く(そして私好みだ☆)、
ストーリーもわかりやすく(『ソラリス』を見た後なのでなおさら)、
美味しい水を飲むようにサクサク見れました。
「おバカなアニメだからこそ、きちんと作る」
そんなアニメスタッフの良識を感じることができました。
予想通り、いや予想以上にいいアニメです。
DVD3本借りた中で、これが一番当たりだったかもw
早く続きが見たいです。



最近はめっきりアニメを見ることがなくなり、たまたま見た「ごちうさ」は何一つ理解できず、
「自分もこのトシでようやくアニメ卒業か」
と思ったのですが、まだいけそうです。
おじさんにすり寄ってくれるアニメ限定でしょうけど。


『惑星ソラリス』

「先週末に借りたレンタルDVDが面白かったので紹介します」Part2。
前回は戦争映画でしたが第2回は一転、SF映画です。
『惑星ソラリス』。今回借りた中では唯一見たことのある映画です。


自分にとってSF作家の双璧はディックとレム。
そのレムの代表作を映画化したのがこの『惑星ソラリス』。
そもそもレムを好きになったきっかけがこの映画です。
そんな映画なのに、まだ数回しか見たことがありません。
(所持していた唯一のメディアはVHSで、もう捨ててます)
時々見たくなる、ということもありませんでした。
興味がないからではありません。その逆で、映画の内容はほとんど自分の脳内で再生できるからです。
いや、再生できると思ってました。

レンタル屋で『加藤隼戦闘隊』を借りた際、何かついでにと思いこのDVDを手に取りました。
パッケージの写真がとても綺麗なのに驚きました。
私の脳内再生より数段美しいのです。
そうか、デジタルリマスターってやつか。

『惑星ソラリス』の公開は1972年。
私が見たのは1980年代。それもサンテレビかKBS京都あたりで平日に放映してた、CM入れても1時間半くらいにカットされた物です。持っていたVHSテープもこれを録画したもの。しかも3倍モード。画質はもうお察しレベルです。
原作も何度となく読み、知りすぎるほど知ってるつもりの映画でしたが、今改めて高画質で見れば新たな発見があるかもしれません。


そうして久しぶりに見た『惑星ソラリス』はいろんな驚きが詰まっていました。
冒頭から見たことのないシーンの連続で、画質もいいしほとんど別映画。始めて見る気分で見れました。



最初に述べた通り私はレムのファンで、日本語版の出ている小説はほぼ読破したと思います。
中でも『ソラリス』は別格だと思います。他の作品より優れているという意味ではありません。彼の作品の中でこれだけが異質なのです。
様々なジャンルのSFを書いたレムですが、ざっくり言えば「極めて知的でクール、そしてややシニカル」な作風だと言えるでしょう。
その中にあってこの『ソラリス』にだけ、ラブストーリーの要素がふんだんに詰まっているのです。
それはこの作品の世界観、ソラリスの海が持つ不思議な特性が生んだものといえるでしょう。
心理描写に卓越したレムはこの作品で、非現実的な世界に投げ込まれた男女の恋愛劇をリアルに描く事に成功しています。が、それはレムが意図したというより自分の生んだ世界観に彼自身が導かれて書いたようにも思えます。普段のシニカルな描写は影を潜め、別人が書いたようなロマンチックな作品になっています。
この小説は紛れもないレムの作品でありながら、ある意味本人の意志を超えた傑作だと思えます。


この紛う事なき傑作、けれど内省的で映像化など思いもよらないこの作品を、タルコフスキー監督は見事に視覚化してくれました。
この映画は必ずしも原作に忠実と言えず、むしろ監督はこの素材を上手く利用して自ら表現したいものを映画にしたといえるでしょう。ソラリスの海(つまり「水」)やら無重量空間での「浮遊」など、タルコフスキーにすればさぞかし美味しい部位がふんだんにある良素材に見えたことでしょう。
そしてこの映画では、原作の持つロマンチックな部分をこれ以上ないほど美しく再現しています。

SFの魅力、その最大の魅力の一つは「問題の単純化」だと思うのです。
現実にある複雑な問題を、極限の状況に置いて単純化してみせる。結晶のように純粋にして問題の核心に迫る。それが出来るのがSFだと。
『ソラリス』で描かれるもの。それはこの上なく純粋な愛です。
死んだ人間が生き返る。それは人間の究極の夢のはず。
それが最愛の人であれば、なおのこと。
それが何故、こんなにも辛く苦しいことなのか。
この上なく純粋で美しい愛なのに、なんで見ていてこんなに胸が苦しく切なくなるのでしょうか。
テレビで毎日やっている甘ったるいラブストーリーなど見向きもしない私ですが、『惑星ソラリス』の世俗と無縁の閉ざされたステーションの中で描かれる、飾りを剥ぎ取った痛々しい愛の行方には心打たれます。



そんなわけで久しぶりに見た『惑星ソラリス』は大、大、大満足でした。
普段は映画の画質などにはこだわりませんが、やはりこの監督の映画は高画質で見るに限りますね。
『ストーカー』と『サクリファイス』は映画館で見ましたが『ソラリス』も見とけばよかったなあ。
でも、きっと泣いちゃう。映画館で泣いちゃう。
誰だよ、この映画を「難解」とか「退屈」とか言ってる奴は。
とっても分かりやすいし、私は1秒たりとも退屈しませんでしたよ。
それとこの映画、事あるごとに『2001年宇宙の旅』と比較されますが、全然異質だと思います。
『2001年』はラブストーリー要素ゼロだし、『2001年』より『ソラリス』のが全然チープだしw
(お金はそれなりにかかっているらしいが)
ちなみに私、『2001年』の方はまるで理解できません。
むしろ『ソラリス』と比類すべきは『ブレードランナー』じゃないかと思いますが。

「タルコフスキーにも1本くらいディックの作品を作ってほしかったなあ」
などと思いつつ、今日のブログを終わります。
次回は第3段です。見てからもう一週間も経つけど。


至高の戦争映画かも

先週末にレンタルビデオを3本借りてきました。
これが3本とも大当たりでしたので、それを順次紹介していこうと思います。
まず一本目は私の好きな戦争映画から。


私はミリタリー、特に軍艦好きです。「戦争映画」も好きです。でも何でも見るというわけではありません。むしろえり好みが激しいです。
最近の映画(『永遠のゼロ』とか)は見てもいません。例外はあるでしょうが、近年に作られた戦争映画はどこか嘘っぽく戦争の雰囲気というか「空気」が描けていないと思います。
私は戦争未体験だしうまく言えませんが、何かが違うし何かが欠けているのです。
それは昔の映画と見比べればわかります。

そういう点で特に良作だと思うのは『太平洋奇跡の作戦 キスカ』(1965年公開)です。
原作者が実際の戦場を体験し、本人のアドバイスを尊重して作られたという事もあるでしょう。役者が口に出さずともシーンの端々に、今日死ぬかもしれぬ、明日死ぬかもしれぬという覚悟が伝わってくるのです。
(それをいちいちセリフにする最近の映画は、下品だと思う)

昔の映画に戦争の空気が感じられるのは、映画の出来もあるでしょうが作られた時代もあると思います。
スタッフや役者自身が戦争を体験し、あるいは戦争のために様々な思いをさせられた。
それを今の我々がいくら頭で考えても再現は困難でしょう。
邦画洋画を問わず、良作であれ駄作であれ、映画が作られた時代が遡るほど戦争の空気が感じられる。それが私の経験則です。



散々前振りをしましたが、今回借りてきた映画は『加藤隼戦闘隊』です。
タイトルだけは知っていましたが見たことはありませんでした。
ところが先日ネットで紹介動画を見て仰天しました。
映像こそ荒いですが「戦争の空気」がひしひしと伝わってきます。伝わってくるなんてもんじゃない。至近で弾を撃つ火薬のカスが自分の肌に当たって痛いくらい。
ここで紹介するのもどうかと思うけど、見れば一目瞭然なので。




【軍歌】 加藤隼戦闘隊 【実機映像】

ん、なぜ映画のタイトルが右から左に?
なにこのリアルな計器類。そしてリアルな迷彩塗装は!?
どういうことよ! じ、実機映像だと!?
もう、言ってる意味がわかんないですよ!!
何より隼の飛行シーンが理屈抜きに信じられないレベルでかっこいい!
なんなのこの動画、なんなのこの映画!?

一目散にwikiに駆け込み情報を得ました。
1944年公開!?
陸軍の全面協力!?
本当に、あれもこれも、全部本当に本物!?
もう、ありえないだろこんなの!!

しかし一番ありえないのは、今までそんな映画があることも知らずにいた私のボンクラ脳でしょう。速攻でビデオ屋に駆け込みました。
こんなもったいなお宝映像を部屋のちんけなモニターで見るには忍びなく、家族のいない間に居間の大きなテレビで見ました。



古い戦争映画が好きとはいえ戦中の作品は見たことありません。
いきなり画面いっぱいに戦争標語が映し出されるわ、タイトルは物々しい旧字体だわ、隼らしいエンブレムがどうみてもショッカーだわ、誇らしげに「後援 陸軍省」と銘打たれるわと、冒頭こそ戦時体制一色。
ですが映画の内容そのものはさして違和感なく見れました。字体が古いのと音声が聞き取りにくい(字幕推奨)くらい。
陸軍がスポンサーなのだからいわゆる「国策映画」のはずですが、全然そんな匂いがしません。「戦後作られた映画」と言われれば信じてしまいそうです。

しかし見ていくうち「これは戦後の映画ではありえない」とわかります。
隠そうにも隠せないのが、隼を始めとする本物の大戦機の魅力。隼だけでなく爆撃機、輸送機、さらには敵機までも鹵獲した本物を飛ばせています。
(個人的にはバッファローの飛行映像が見れて嬉しい)
主役である隼の機動性、特に軽戦ならではの敏捷性は素晴らしく、説明がなくても魅力が一目でわかります。

いっぽうストーリーには期待してませんでしたが、よい意味で裏切られました。
加藤隊長の人となり、生きざまをきちんと描いています。
ドラマとしての作りは今の目で見れば稚拙かもしれませんが、実話を元にしただけあり隊長の言動が指揮官としての説得力に溢れています。下手に美しいだけで中身のない映画よりよほどいい。

そして私が何よりも戦争映画に求める「戦争の空気」ですが、これは今まで見た全ての映画の中でダントツです。戦いの最中だけでなく出撃前、出撃後、そして日常のリラックスしたシーンの中にも戦争の影が見え隠れします。空挺部隊の出撃前夜の壮行会のシーンなどは何度見ても鳥肌が立ちます。
(壮行会って本来厳粛なものなのね)
そして隼の飛行シーンもしかり。
戦闘の際にパイロットが風防を開けたり、緊急発進時に5機横並びで滑走路を離陸したりと「ええっ!?」と思えるシーンがいくつかありました。これが戦後の作品だったり特撮だったりアニメだったら「嘘くさぁ」で終わりですが、
「昭和19年公開」
「後援 陸軍省」

という圧倒的な事実の元、ぐうの音も出ない絶対の説得力で迫ってくるのです。

ついでにこの手の映画でお決まりの特撮シーンについて。
右を見ても左を見ても本物だらけでお腹いっぱいの映画なので特撮シーンは多くありません。敵機撃墜のシーンや爆撃される敵地のシーンくらいです。
ところがその特撮シーンまでもが憎たらしいくらい素晴らしい。
本物の戦闘機が売りの映画だから特撮なんかおざなりでいいと思うんですが、そこは手抜きという言葉を知らない特撮の神様が存分に腕を奮っています。円谷英二に好きに作らせたらどうなるか、この映画が如実に教えてくれます。当時の東宝の経理部の悲鳴が聞こえてくるようです。
(特撮シーンが秀逸すぎるせいで、ますます戦時中の映画に見えない)



一人で楽しんで見ているつもりがいつしか父や弟も一緒になって見ていました。
「全然、『国策映画』っぽくない」
「戦意高揚の映画じゃない」
二人ともこれが戦時中に作られた事に驚いていました。
確かに、ことさらに戦争を賛美したり敵兵を残酷に描いたりといったシーンはほぼ皆無。
しかし私はこの映画を見て以来、ずっと戦意高揚しっぱなしです!
だって隼かっこいいし!!
戦争はかっこいいんです。これは紛れもない事実。
戦後、いや今も多くの人がこの事実から目をそらしていますが、それで本当に戦争を(そして平和を)理解していると言えるでしょうか?
説教臭い話はやめますが、男だったら誰でもこの映画を見てかっこいいと思うでしょう。
油田制圧の為の落下傘降下作戦のシーン(撮影のため実際に行った!)に至っては「かっこいい」を通り越して「神々しい美しさ」さえ感じます。
弟はこのシーンを見て「国を挙げて撮った映画だ」と言いました。
全く同感です。
「戦争に作らされた映画」というよりも、
「戦争が作らされた映画」とでもいいたいです。


当時の記録を今に伝える映像として、当時の戦闘機乗りの意気込みを伝える作品として、この映画に携わった方々に感謝したい。
「この時作っておいてくれて、本当にありがとう」と。
今となっては決して決して、決して作れない映画だから。
ああ、なんかむしょうに隼のプラモ作りたいぞ!


『火星の人』

今の会社に行くようになってから、昼休みに淡々と読書をしています。
他に娯楽もないのが幸いしています。
歴史小説、戦記もの、ラノベ、ラブストーリー、etc…
基本的にジャンルは問いません。
が、敢えて好きなジャンルを挙げるならSFでしょうか。
今はこんな本を読み終えたところです。



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『火星の人』
アンディ・ウィアー著 小野田和子訳 ハヤカワ文庫

弟に勧められて読みました。
弟も私もSF好きという点では同じですが、好みは少々違います。
弟はスペースオペラのような、宇宙を舞台にした知的で壮大な冒険活劇が好みだとみました。
いっぽうの私は内省的な、地味な話が好みです。
なのでこの本も期待してはいませんでした。
案の定、読み始めて3行ほどで、
(駄目だ。自分には向いてない)
と思いました。

ひょっとしてネタバレになるかもしれないので、そういう人のため、先に私の結論だけ言わせてもらいます。
私はこの500ページあまりの大作を読破できました。
この小説は映画化され、ちょうど公開された頃だと思います。わざわざ映画館に足を運ぶつもりはありませんが、誰かが誘ってくれたら喜んで行こうと思います。




これは私が今まで出会わなかったタイプのSFです。
いや正確に言うと、むしろしょっちゅう出会うタイプの本です。
読み始めて3行で「ああ、駄目だ」と首を振り本を閉じ二度と開く事はない、そういう沢山の本のひとつです。
唯一の違いは、そう思いつつも読み続けられたこと。
その理由は、せっかく弟が勧めてくれた事、なんだかんだで宇宙の話が好きだからという事。
そして何より、この作者の半端じゃない頑張りに対する興味です。

私の考える、私の好きな、理想のSF。
それは想像力豊かで余人には思いつきもしないアイデアを次から次へと繰り出す玉手箱のようなもの。当然書ける人は限られます。
この本はそれとは真逆。乱暴に言えば「誰にでも書ける」本です。
但し人並み外れた膨大な知識があれば、です。
手持ちの知識を総動員して、

「人がこういう状況になったら、こうして、こうして、こうなる」

この本は壮大なシミュレーターそのものといっていいでしょう。
そういうものを私はSFと呼びたくありません。
ですがこれを書いた作者の並外れた粘り、執念に近いこだわりには敬服しました。
小説家としてのセンスは感じられない代わりに、溢れる専門知識とコンピュータのような予測能力をその頭脳に詰め込んだ人物なのでしょう。
少々あきれつつも「凄い」と言わざるをえない。


小説としては不満だらけです。
生き残りをかけた試練が次々と彼を襲うのですが、なんというか、読んでて「あ、これはギリギリ助かるな」と思えてしまう。例えるならば市町村が行う防災訓練みたい。あまりに無理すぎて絶対助かりっこない、なんてシナリオは最初から排除されている。
それでは小説としての盛り上がりに欠けると思うのは古くさい考えでしょうか。
いや、状況はどうであれそれを徹底的にリアルに描けば説得力も生まれるでしょう。が、一見リアリズムに徹しているこの小説で少なくともひとつ、リアルでないものがある。
それは主人公の心理描写。
主人公は自分の置かれた悲惨な状況の中であまりに楽天的すぎます。

私が小説に唯一求めるものはリアルな心理描写だけです。
あとはむしろ嘘や出まかせにまみれていたって構わない。むしろ嘘を楽しむのが小説だとさえ思ってる。上手い嘘をついて読者を楽しませてくれるのが優れた小説家だと思っている。
そういう意味ではこの本は優れたSFでないどころか、優れた小説でもない。少なくとも自分が小説に抱いている美学とは180°離れたところにある。

それなのに最後まで読ませてくれた。
これがこの小説に対する、私の最大限の賛辞です。



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専門用語が多く飛び交う小説ですが、弟がこんな簡易的な絵解き解説をしおり代わりに挟んでおいてくれたので、そういう意味でも楽しく読めました。


あと、本の内容とは関係ないのですが…



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単行本の表紙の左上に、逆さになった宇宙飛行士(おそらく主人公)が映っているのですが、私はこれがとても怖かった!
というのも私の目には何故かこれが、

「スペクトルマンみたいな顔をした上半身だけの宇宙人が背中から蒸気を吹き上げながら迫りくる」

ように見えてしまったのです。



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ページをめくる度、「この火星人はいつ襲来するのだろう」とビクビクしてました。
(100ページくらい読んで、ようやくだまし絵にだまされてた事に気づいた)

「奇想天外な発想」
という点だけでいえば、私にもSFの才能ありそうです!?



やっぱ甲難度は辛い

エトワ-ル☆提督であります。
2016年艦これ冬イベの続きを語るであります。
楽なイベントに思えましたが、やはり最後のボス面はキツかった。
何度か攻略を試みましたが半端な編成ではクリアできそうにないので、本気の編成を組みました。



第一艦隊
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「大和」「武蔵」「長門」「陸奥」。
本気といえば本気、何の面白みもない編成ともいえます。
それだけ余裕がないって事です。
編成の制限の関係で、防空は空母でなく軽空母二人に託します。
ケッコンしたての龍驤は地味な6番艦ですが、殿艦を任せるのは信頼の証。



第二艦隊
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「阿武隈」「雪風」そして雷巡と、これまた本気すぎる編成。
2番艦の駆逐艦は連撃仕様にし、ついでに対空任務も兼ねました。





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戦艦4隻による圧倒的火力。
後先考えず出し惜しみなしのガチ編成は快感です!
ボス面の相手がとにかく固いので、ひたすら火力重視。日頃使わない徹甲弾をここぞとばかり使いました。
(こんな時のために☆4つくらいまで改修しといてよかった)
大和、武蔵はもちろんですが、長門、陸奥も試製51cm連装砲を装備して大活躍。こんな装備、使うことあるのか? と思ってましたが、大和型並みに敵をぶっ叩いてくれます。
防御力の方は、相手がバケモノなので大和、武蔵だろうがやられる時はワンパン中破するのである意味同じ。
これが金剛クラスになると大破までいってしまうので、この海域の長門型の存在感は大きいです。


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そして夜の主役はもちろんハイパーズ。
雪風、阿武隈にも、日頃使わない魚雷装備を満載。
とにかく敵が固いのでカットイン狙いでいきます。
それにしても大井っち&北上様の同時投入なんて何時以来だろ。
いいねえ、しびれるねえ! ありがとね☆




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しかし楽しかったのはゲージを削り終えるまで。
ここからの「ラスダン」が苦行でした。
ボスの装甲がますます凶悪化して、もう泣きそう。




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せめてもの救いは、攻略早々に今回のお目当ての一人「沖波」をドロップできたこと。
なのでS勝利にこだわる必要はありません。とにかくボスをスナイプできればいいのです。
しかしカットイン要員が倒されたり、生き残っても取り巻きに攻撃を吸われたり。
まあそれがラスダンなんですが。

とにかく止めが差せないので、更なる火力アップやら、支援艦隊(もちろん出してます)を見直したり、いろいろあがきました。



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最後はこんな状態からの夜戦で、北上さんがボスを狙い撃ち。
ようやく攻略できました。
肝心な時に龍驤さんがいませんが、それだけ試行錯誤してたって事で勘弁してください。
後から冷静に考えれば、決め手は第二艦隊のビス子に積んだ大型探照灯ではないかと。
第一艦隊はいじる必要なかったように思えます。

いずれにせよ、みんな、ありがとう!




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そしてイタリア重巡「ザラ」をゲットです。
何が嬉しいって、空いていた重巡育成枠がこの娘で埋まるのが嬉しい。
他の重巡はみんなLv96まで上がってしまったので。


私としては珍しく、タイムリミットまで一週間の余裕をもって攻略を終える事ができました。
あとは、まったり掘るなり休養するなり。
ともあれ精神的にすごく楽です。

そういえばこのイベント時はバレンタインが重なった事もあり、今年も艦娘たちが期間限定コスを披露してくれました。




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「曙」嬢。
提督を喜ばせる天才ですね彼女は。




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何度見ても笑える「叢雲」嬢。




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そして、何といっても我が嫁艦「龍驤」。
可愛くてかっこよくて頼もしい、最高のパートナーやで!




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RJ嬢に栄光あれ!

お月さまに願いを込めて

先月「メタリックナノパズル」というものを作ってみました。
簡単とは言いませんがプラモと違って数時間で作れ値段もお手頃。
そのうえ、出来上がりの見栄えもなかなか。




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先月作ったメタリックナノパズル・探査機はやぶさ。
(色は自分で塗りました)
ラッコ状の台座はアオシマのプラモから流用しました。

それに味をしめ、またしても制作にチャレンジします。
今回のターゲットはこれ。



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メタリックナノパズル・アポロ月着陸船

見本の写真を見る限り素晴らしい造形ですが、どうみても「はやぶさ」より難易度高そうです。
実は先にこれを買ってたのですが後回しにしてました。




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はやぶさは1枚のプレートから作りましたがアポロは2枚。
そしてその差以上に難しそうです。




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意を決して作り始めましたが、何作ってるのかさっぱりわからん!
車や飛行機と違って月着陸船なんてものは見慣れてないし、他に似たものがないので見当がつきません。
設計図だけが頼りです。
(これ作った人は皆同じような事を言ってる)



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基本的に最初から最後まで難しかったです。
例えばこの姿勢制御用のスラスタ。
これを丸めて形にするのですが、人様に売る商品とは思えないほど組む人に苦行を迫ります。



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4組作り終えた頃には悟りが開けそう。
もちろん難関はこれだけではありません。



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それでも一応、上半身完成!
なのですがところどころがたわんでいて隙間だらけ。
中の乗員が心配になってきます。



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裏からつっかい棒を入れて対処しました(白い棒)。
続いて下半身に移ります。
(下半身とか言うな)



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前回の「はやぶさ」に施した金色塗装が自分的に好評だったので今回もチャレンジ。
必要な部分をマスキングします。
右上の数字はパーツ毎の塗り分けをメモったものですが、我ながらへったくそな字ですな。



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メタルプライマーで下塗りした後に本塗装。
今回も上手くいきました。エアブラシ様さまです。



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下半身をひっくり返してみたところ(いや~ん☆)。
見えにくいけど、メインノズルは二重になってます。
この玩具の設計者のこだわりを感じます。



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完成まであと少し。




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できました!
上半分、下半分それぞれ1日、合わせて2日かかりました。
根気は必要ですが、不器用な人間でも作れます。
(私が証明した)
もちろん、いい工具はもってた方が楽だと思います。



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角度を変えて撮影。


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星条旗は、昔作ったアイオワ級戦艦のデカールの残りを張りました。
もうボロボロだったので少し破けちゃったけど。
でも、いいアクセントになったのでは?



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簡単なジオラマも作ってみました。
昔買ったプラモのジオラマベースにサーフェイサーを塗っただけですが。
こんなんでも、それなりに楽しめます。


メタリックナノパズル2作目。今回もお手軽に楽しく(苦しくもあったけど)作れました。
手のひらサイズなので気軽に飾っておけますし。
また機会があったら作りたいです。
(スター・ウォーズものとか、やってみたいかも)



遅すぎた春

エトワ-ル☆提督です。
現在、2016年冬イベ真っ最中です。
とはいえ序盤E1、中盤E2海域は拍子抜けする難易度。


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E1編成(の一例)

E1は遠足気分で攻略できました。
(戦いの内容はほとんど記憶していません)



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E2編成

続くE2はルート固定となる「霞」「足柄」「大淀」「朝霜」「清霜」の礼号作戦組で挑みました。
「え!? これが甲難度?」というのが正直なところ。



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そして難なく新艦娘「初月」をいただきました。


更に最終面のE3さえ、攻略は順調にみえました。

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対潜装備を充実させてきた事もあり、E3前半戦の輸送作戦も無事完遂。
さあ、ラスボスに挑むぞ!



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今回のラスボス重巡さん。
…なんか、利根さんに似てません!?
(「利根改二 予想図」で検索しちゃダメ!)


で、挑んだ結果。


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ええ。なめてかかってました。

しかしこれでこそイベント、これでこそラスボス。
今回は蓄えた資源もバケツもほとんど手つかずで残っています。
(燃料/弾薬22万、鉄アルミ30万、バケツ2990)
編成の縛りもなく、戦いたい放題。
ここはひとつ我が艦隊の全力を挙げて盛大に行きましょう。

おっと。それだけじゃない。
遂に我が艦隊の切り札を出す時が来たようです。
そう、秘蔵っ娘のあの艦娘を…


「龍驤よ」
「なんや提督、この忙しい時にこんなとこに呼び出して」
「この危急存亡の折り、どうしてもお前に頼みたいことがある」
「なんやろな? まあ、なんでも言うてみ。話聞くだけやったらタダやさかいな。はははっ」
「龍驤よ…」



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「この私と、ケッコンしてくれぃ!」

「……!?」

「どうした? やはり …私では不満なのか!?」
「…遅い」
「え」
「いつまで待たせたんや、このドアホが!」
「は、はいすみません!」



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りゅうじょうは ゆびわを うけとった!

「さ、何ぐずぐずしてんねん。行くで」
「え、どこへ」
「決まってるやろ、『ハネムーン』や。目的地は敵ラスボス海域!」
「わ、私も行くのか!?」
「新郎が行かんでどないすんねん? ほなレッツゴー!」
「は、はい~!」

そして龍驤さんとの幸せな旅が始まったのです!
ええ、彼女がいれば、そして頼もしい仲間たちがいれば敵ボスなどこわくない!



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ああっ、大胆すぎるRJちゃん!


またしても嫁艦の尻に敷かれまくりなエトワ-ル☆提督でありました。
(幸せ☆)


戦時も平時の如く

エトワ-ル☆提督です。
「艦これ」冬イベが始まりました。
が、初日は例によって猫祭り。ログインすらできません。



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まあ実際にはもう猫ちゃんいないんだけどね。

もうイベントも両手で数えきれないくらい(?)経験してるのでこういうのも折り込み済み。
どうせ突撃できないからと、艦隊は前もって長距離遠征に出しておきました。



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こんな時のための鹿島さんです。

イベント本格始動までに主要駆逐艦をLv86まで上げるのが目標。




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ついでに瑞穂さん達には資源の確保を願いました。




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去年の秋イベで血の気が引きそうなくらいバケツを使いましたが、無事復活。
資源も、今回始めて4種類の資源全てが20万を超えました。
どんと来いや!

…などとのんびりしてる間にイベントももう3日目か。そろそろ本腰入れないと、ですね。



その頃、遠く銀河の果てでは…



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ユリアン着任。
(わしの嫌いな子です)

誰かトリューニヒトと替えてくれ~!

先生の近況

先日はブログに愚痴を書いてしまいました。胸の内にため込みすぎるのもよくないと思ったのですが、適当に無視してもらえれば幸いです。
書いてすっきりもしましたが後味の悪さも残ったので、気分を替えて私の好きなシュミの事を書きます。
それもとびきり好きな物の事を。


先日、行きつけの図書館に行きました。
(世間一般的には「歯医者の待合室」と呼ばれています)
蔵書は2~300冊程度でしょうか、しかし内容は充実しています。
ここで出会った『ヒカルの碁』は生涯の宝物ですし、昭和テイスト満載のひおあきら版『宇宙戦艦ヤマト』や、貴重な『コメットさん☆』の絵本まで置いてある。
そして先日またしてもそれらに匹敵する、いや私にとってはそれ以上の宝物に出会えました。
それはこういう雑誌です。



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少年画報社「思い出食堂」


普段こういうのは読まないのですが、蔵書をあらかた読み尽くし「シュミじゃないけど暇つぶしに」と手にとりました。
「おにぎり」「ナポリタン」「餃子」など庶民の味をテーマにいろんな漫画家が競作する読み切りアンソロジーです。
思いのほか面白くて、何作かパラパラと読み進みました。
何作か読み進めたところで、目が点になりました。
(う、 そ、 だ…)
きっと私は口をポカンと開け放心状態になってたと思います。
声にこそ出しませんが、赤壁で敗走した曹操が関羽にでくわしたくらいの衝撃に襲われました。
もっとも私の場合は嬉しい衝撃なのですが。

この絵柄、この作風。見覚えがあるどころじゃない。
紛れもない我が教祖・たかなししずえ先生ではないですか!?




唐突ですが、私の大好きなRCサクセションのアルバム『RHAPSODY』のジャケットの帯に、こんなメッセージが添えられています。

『こんなイカシタやつらと同じ時代、同じ国に生きてるなんて素敵じゃないか!』

私は先生の漫画を読むたびに、このメッセージを思い起こすのです。
こんな素晴らしい方と同じ国、同じ時代に生きていられるなんて。

RCはとっくに解散しましたが先生は今もこうして書いています。
「史上最も偉大な芸術家はモーツァルトとたかなししずえ」
と信じる私にとって、それがどれほど嬉しい事か、わかってもらえるでしょうか?
例えて言うならモーツァルトが今もウィーンでバリバリに新作を書いてるようなもんです。
それがどれだけありがたいことか、わかってもらえますか?



先生の作品を読むのはいつだって至福の瞬間です。
まして始めて読む作品なら、なおのこと。
本来ならば冷水で禊ぎをすませ塩水でうがいをし身体を清め、先生の住まう安房鴨川を遥拝し五体投地をした後に読むべきものですが、ここは神聖な図書室。それも叶いません。
心の中で(ありがたや、もったいなや)と唱えながら読みました。

それにしても。ああ。
先生のこの筆の冴えはどうでしょう。




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私が言葉を尽くすより、この絵を見れば一目瞭然


1975年に『桃太郎よりお星さまへ』でデビューして40年。その腕は衰えるどころかますます冴え渡るばかりです。
すっかり「萌え絵」に慣れ汚れてしまった目の奥までも洗い清めてくれる純粋無垢な絵柄。先生のお人柄がにじみ出たほこほこのストーリー。
これこそしいちゃま。
天使の才能を持った希有の人が不断の研鑽を積んでたどり着いた境地がここにある。

「たかなししずえの漫画家としての全盛期はいつ頃か?」
そう尋ねられたら、ファンとして迷わず答えましょう。
「今です」と。

自分の一番好きな漫画家。
他の漫画家を全員足したよりも大好きな先生。
その人の新作を今も読み続けられるだけでもありえないくらい幸せなのに、嘘偽りなく「今が全盛期」と思える。
ファンとしてこれ以上の幸せはあるでしょうか。


先生ありがとう。少年画報社さん、ありがとう。そして待合室にこんな素敵な出会いを用意してくれた歯医者さん、ありがとう。
先生が描き続けられる限り、私も幸せであり続けます☆




プロフィール

雪山雪男

Author:雪山雪男
「艦これ」大好きな元「Answer×Answer」プレイヤー。
老眼と戦いながらプラモ作りに励んだり、気まぐれで小説を書いたりする日々です。

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