イッヒリーベレーベ(3)

ピットロード製のプラモを元にドイツ駆逐艦Z1「レーベレヒト・マース」を作ろうという試み。
今回はその3回目です。
先に言っておくと、今回はひたすら地味です。


キットは2隻入りなので今回は2隻いっぺんに作るつもりでいます。1隻はレーベ、もう1隻は素組みに近い形で。
ところがこのキット、素組みで作るのも大変そう。
船体が反ってて船底が平らにならないのです。
艦船キットにはよくある事ですが、こいつは相当ひどい。
削ったりパテ埋めしたりしましたが、今回は磁石の力も借りました。



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船体に磁石を埋め込むテクニック。
本来は完成してケースに入れた後に動かないようにする為のものですが、ネオジム磁石の強力パワーで船体の反りも矯正してしまおう。



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もう1隻(レーベの方)はそれほどゆがんでいなかったので、WL用の重りを入れる旧来のやり方で対処。



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べったり接着剤を塗ってがっつり固定。
反ってるだけじゃなく船体と船底の形があってません。こりゃ大変なキットだ。



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パテで埋めては一日乾かして削る、という事をこの数日繰り返しています。
やり方が下手なのか一度で上手くいきません。
(遠目にはよくても近づいてみるとこの通り)

ここで手を抜いて先に進んでもロクな事にはならないので、のんびりじっくりやります。

「まほろさんファースト」(6)

『まほろまてぃっく』の小説の続きです。




 訪れる人を圧倒するために作られたとしか思えない、国防総省の巨大なエントランス。
 まるで観光客のように私があたりをキョロキョロしていると、一分の隙もない受付嬢が声をかけてくれた。
 ダメもとで美里司令の所在を訊ねてみる。

「ミスター・ミサトなら30分前にここを出られました」

 豊かな金髪の巻き毛を揺らせながら、受付嬢は親切に教えてくれた。

「預けていた釣り竿を持って、出て行かれましたよ」

 思い出し笑いをする受付嬢に、私もその姿を想像して笑った。
 ボケベルで呼び出すまでもなく、尋ね人の所在は見当がつく。
 受付嬢に礼を言いペンタゴンを後にした私は、駐車場に止め置いた車に乗り込み、さほど遠くないポトマックの河畔に向かった。



 蒸し暑い日本よりよほどさわやかな風が肌に心地よい。
 川の両岸に植えられた桜並木の緑のまぶしさに目を細め、河畔のまだ見ぬ春を思い描く。
 散策を始めてほどなく、尋ね人は見つかった。
 その人は岸辺のベンチ代わりの石に腰掛け、少し猫背気味に釣り糸を垂れていた。いつぞやの野良着ではなくフォーマルな恰好こそしていたけれど、それがかえって不自然極まりない。
 私はにんまりとしてそっと近づいた。

「ここは禁漁区じゃないんですか」

 驚かせようと声をかけたつもりが、

「まほろか」

 毎日会ってる人と挨拶するようにそう言って、その人は竿を持ち上げる。

「仕掛けはついてないから、大丈夫さ。ほら」

 そうして呆れたことにまた釣り糸を垂れる。

「『李下に冠を正さず』ということわざもあります」
「博識だな、まほろは」

 まったく、しようのない人です。
 心で愚痴を言いながら、私も司令の隣に腰掛ける。

「その制服、似合ってるじゃないか」

 そういう事はちゃんとこちらを見て言ってほしいものです。しかも今頃になって。

「私は普段からこの格好です」

 そう。初めて司令とお会いしたあの時も。

「そうだったか、すまんすまん」

 全然すまなさそうにそう言って、司令はまた糸の先に目を移す。
 「お迎えにまいりました」と言わずもがなを切り出すのがなぜか無粋に思えて。
 だから私も司令と一緒に来るはずのないアタリを見張っていた。ときおり顔を出しては水面に円を描く小魚を眺めながら。

「どのくらいで戻れるね、まほろなら」

 唐突に司令が訊ねる。

「あの車なら、2時間もあれば」

 自尊心をくすぐられる質問に、思わず胸を張り即答する。

「車で来たのかい、ノーフォークから」

 司令は笑いをこらえ、土手の上の車を眺めた。

「ほう、アストン・マーチンか。帰りが楽しみだな」
「V8でのドライブは実に快適でした。欲をいえば、いつかは憧れのDB5にも乗ってみたいものですが」
「そうか、まほろは『ゼロゼロセブン』のファンだったな」
「『ダブルオーセブン』とおっしゃってください。お歳がバレバレです」
「ははは。いいじゃないか」

 ん? よく考えたら私、司令に『007』の話なんかした事ありましたっけ?

「2時間だね。ではもうしばらく甘えさせてもらおう」
「よいのですか、お仕事は」
「うん。仕事はもう済んだ」

 今夜の作戦の事実上の指揮官である司令はそう言って大きなあくびをした。

(司令といると、私までぐうたらがうつってしまいそうです)

 そう思いながら空を見上げると、まるで遠足の日のような晴天が広がっていた。

(遠足…… そうでした!)

 私は車に駆け戻り、持ってきた包みを取ってきた。

「よろしければ、どうぞ」

 今朝がた作ってきたクラブサンドを差し出すと、司令の顔がクリスマスプレゼントの箱を開けた子供のようになった。

「なにぶん出先、まして見知らぬ異国の地とて、そんなものしか間に合いませんでしたが」
「ありがとう」

 そう言って司令はクラブサンドをほおばった。
 私はなぜだか司令の傍らで正座して、次のひとことを見守った。
 司令が目を丸くして言った言葉は、私の期待したのと少し違っていた。

「うちのに、似てるな」
「うちの?」
「ああ。家内の味に、どこか似ている」
「奥様ですか」

 そうして不意に気づいた。
 司令は私の事をいろいろご存じなのに、私は司令の事を何も知らないことを。

「司令の奥様は…… どんな方なのでしょう」

 つぶやくともなくつぶやいた私の言葉に、司令は懐に手を入れて何やらもそもそとし始めた。

「?」

 司令がつっけんどんに私に見せたのは、ラミネートされた一枚の写真だった。

「家内だよ」

 釣り糸を見つめたまま司令がつぶやいた。

「綺麗な、かわいらしい奥さんですね」

 お世辞じゃない言葉が自然と口をついて出た。
 写真の中の奥さんの笑顔は、胸に抱いた幼い子に注がれている。
 その子のみせるあどけない笑顔に、私もつられて微笑んだ。

「それに、とても可愛い娘さん」
「息子なんだがね」

 釣り糸を見つめたまま司令がつぶやいた。

「そ、そうでしたか。失礼しました!」

 私が赤面して頭を下げると、

「いいさ。みんな間違えるんだから」

 釣り糸を見つめたまま、司令がポリポリと頭をかく。

「性格まで女の子みたいに優しくてね。『優』なんて名前にしたせいかな」
「すぐるさん、ですか」
 
 そう思って写真を見直すと、とても利発そうな男の子に見えてくるから不思議なものだ。

「この作戦が無事に終わったら…… 久しぶりに家族に会えそうだ」

 そう言って川面をみつめる司令の横顔は、言葉と裏腹で寂しげに見えた。

「そうだ、まほろに頼んでおこうかな」

 司令が優しい笑顔を私に向ける。

「なんでしょう?」
「私に万一の事があったら……」

 私は息をのんだ。

「かわりに、優への土産を選んでくれるかな」
「それは……」

 しばし言い淀んだ私は、冷たく言い放った。

「それは、私の任務外のことです」

 驚いたような司令を見つめ、私は言った。

「私の任務は、司令に万一が起きないようにすることですから」
「そうか」

 微笑む司令の傍らに、私は改めて腰掛け直した。

「でも、本当に敵は来るのでしょうか」

 作戦への疑問を司令に訊ねたのは、初めて実戦に挑む自分の不安な気持ちのせいだったかもしれない。

「来るよ」

 声を潜めた私の問いに、司令はあっけらかんと答える。

「ちゃんとエサを蒔いてきたからね」

 まるで目の前の釣りの話しでもするように司令は言う。
 けれど司令の視線は、対岸の巨大な五角形の建物を見つめていた。

 エサ、とはなんの事だろう。
 司令は何と戦っているのだろう。
 我々が戦うのはセイント。意思の疎通のできない宇宙人のはずなのに。
 けれどその舞台裏で様々な勢力が駆け引きを繰り広げているのを、私はおぼろげに感じずにいられなかった。

「さ、そろそろ帰ろうか」

 司令は竿を引き上げ、ズボンについた埃を払った。

「今夜は私と『ニュージャージー』に乗艦してもらうよ」

 なにげない司令の言葉に思わず「はい」と言いかけ、息を呑んだ。
 司令は交渉に成功したのだ。
 けれど。
 『ニュージャージー』に、現代戦の艦隊旗艦を務めるに足る通信設備が備わっていないことくらい、私でも知っている。司令の乗るべき旗艦には、最新の電子機器を備えたイージス艦こそ相応しいはずなのに。

「怪物と対決するには、怪物が一番だからね」

 そう語る司令の表情は、既に指揮官のそれだった。
 有無をも言わさぬ気迫に押され、私は頷く。
 相手が怪物なら、相手をする戦艦も怪物、か。
 そして…… 私もそうなのだろうか。
 司令の背中を追って土手を登る私の脳裏に、ノーフォークで待つ巨大な戦艦の姿が映った。

(続く)



私の好きな『まほろ』キャラ(女性)は、

式条 ≒ まほろ > ちづ > 椎名、凛、深雪 > その他

です。
みなわの良さがわからん私に、彼女の魅力を教えてください。


耐えきれず戻した


マイクロソフトの強引な勧誘に負けた形で、私の使ってる2台のPCにはいずれもWindows10が入ってます。

我慢して使ってますが、どうにも好きになれないOSです。冗長というか、おせっかいというか、痒い所に手が届かないというか、とにかくうざい。
以前にもブログで文句を言ったので繰り返すまいと思ったのですが、夕べはとうとう我慢の限界に達しました。
だってね。プリンタで印刷ができないOSに何の価値がありますか? もちろん最新のドライバを入れた上で言ってるんです。なんでそんな基本的な事もできないんだ、このポンコツは!?
 
これ以上我慢するのは止め、1台を旧OSに戻しました。それもいさぎよくXPに。


久し振りに使ったXPは、SSDの効果もあって快適でした。
古くて使えなくなったソフトがまた使えるようになりました。
古くて使えなくなったサウンドカードも使えます。
古くて使えなくなってたチューナーも使えるはずなので、また部屋でTVが見れるはずです。
寿命も来てないのにOSの都合だけで使えなくなってた過去の資産が、OSを戻すだけで蘇りました。
もちろんプリンタで印刷もできます(当たり前です!)。

ありとあらゆる機能が快適になりました。
唯一のデメリットはネットできない事ですが、それはもう1台のPCでやればいいし、だらだらネットを見なくてすむぶん作業もはかどります。
もっと早く戻せばよかった。
これでもう1台にLinuxでもぶち込めば、あのうっとうしいOSと永遠におさらばできるのだけど。
快適な親指シフト環境さえ構築できればなあ。


浴衣祭り、浦波祭り!

夏イベが終わった後、例によってのんびりレベル上げにいそしんでいるエトワ-ル☆提督ですこんばんは。
季節も変わり、艦娘たちも衣替え。
多くの艦娘たちが目にもまぶしい浴衣姿を披露してくれて、おじさん提督は嬉しいよ。


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さすがは一番艦の白露さん、水もしたたるいい娘じゃ。



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浦風が射的でゲットしたマスコットは初雪と… もう一人は誰じゃろ?



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この娘はあかん娘や。
提督直々に教育してやらねば。



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一連の浴衣娘の中、一番嬉しかったのは由良さんです。
ああ眼福眼福。おかげで老眼も治りました。



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なぜか法被姿の娘もいましたが。
「ドリフ」の魅力は世代を超えて受け継がれるのでしょうかババンババンバンバン。


そして新艦娘の「浦波」もすかさずゲットしました!



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これ見よがしのA型砲!

密かに可愛がっている「磯波」に妹ができて、提督も嬉しいです。
育成もそこそこに十九駆でルンルン出撃☆


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4隻での出撃先は1-5。
先制爆雷システムで難易度の下がった海域ですが、この4隻ではよほどレベルあげないと先制は不可能。久々に骨のある戦いになりそうです。
磯波、綾波、敷波よ。浦波をかばってやってくれ!



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しかし最大の敵は羅針盤でした。
そして敵の理不尽な攻撃の前に、けなげな姉妹艦たちは提督の言いつけ通り、浦波をかばってくれたよ。



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というわけで今月のベストショットが撮れました。
(クリックで拡大w)
これならオーキド博士も褒めてくれるでしょう。


そんな感じで来月の出漁に備え鋭気を養いつつ、まったり攻略の提督でした。






イッヒリーベレーベ(2)

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古のピットロードのキット「Z級」を使ってレーベきゅんを組む決意を固めたエトワ-ル☆提督です。
今回は相当な困難が予想されますが、まずはネットや本などで諸元や外形を頭に入れ、数日構想を練りました。

そして、よし、実行の時だ!



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キットの全長を測り、計算値と比べます。
うむ、長いな。



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斬ります。



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艦首の大まかな形状をマジックで書きました。



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削ります。
最近、以前より作るペースが早くなったと感じます。
キットを眺めて悩むのを止めたせいだと思います。
なに、削りすぎたらパテで埋めればいいのです。
(その後、削りすぎたのでパテ埋めしましたw)



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大まかに艦首の形状を作り、全体を眺めます。
このキット、どこがどうというか全体に不格好です。なんか浮かべても速そうにみえない。
実際の船の事はちんぷんかんぷんですが、プラモを沢山作ってるとなんとなくわかる。
図面と見比べてもおかしいので、その後少しだけ全幅を削りました。特に前の部分を。



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まだまだいきます。
甲板にあるレールのモールド(魚雷や爆雷や機雷用)が少々くどく見えるので修正します。



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彫刻刀を買ってきてレールの内側のモールドを削りました。
4本で100円の彫刻刀なんか使えるのかなと思いましたが、あるとないとでは大違い。サクサク作業が進みました。
工具はいいものに限りますが、ないよりはあるほうが絶対いい!
中国のおばちゃん、ありがとう!!



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艦首を斬った関係で錨甲板の位置もずれるので、ここのモールドもばっさり削りました。
「せっかくメーカーさんが精根こめて作ったモールドを削るなんて許せない」
昔、大人の人の作例を見て憤りを感じたものですが、私もいつしかそんな嫌な大人の仲間入りをしてしまいました。



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よく見たら錨甲板後ろの水切り板の形状も違うので、これも削除。
もう勢いにまかせてやってます。

こういったプラをザックリ削る作業、先ほどの彫刻刀の話とは矛盾しますが、自分の手になじんだ切れ味のいい道具で作業してください。そしてくれぐれも慎重に。
私は昔、誤って指の先を切り落としたことがあります。
それこそ皮一枚つながった状態でぷらんぷらんしてる自分の指を眺めるのは、あまり気分のいいものではありません。
(その後、無事つながりましたが)
皆さんも気をつけてください。



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船体各部にはパーツをつけるための穴が豪快に開いてます。
熟慮の末、面倒なので全部埋めました。
(熟慮の意味がない)

奥にあるのは以前作った睦月ちゃん。
仲間が来る日を今か今かと待ってます。


予想はしてましたが、予想以上に大変なレーベ改修作業。
しかしここまで来たら引き返せません。手持ちの工具と資料を使い総力戦で挑みます。


ジャンプを読んだの何年ぶり?

「『こち亀』最終回読む?」
弟に聞かれました。
「ん、ひょっとしてジャンプ買った?」
「こち亀」よりジャンプ読みたさで借りました。ジャンプを手にしたの何年ぶりだろ。

表紙は当然の両津さん。ジャンプ執筆陣の競作です。
一瞥して気づきました。
「知ってるマンガ家がおらん」
秋本治の他に知ってるのは、かろうじて尾田なんとかさんだけです。
(荒木飛呂彦の両津さんが見たかった)

表紙をめくると予想通り、両津さんの40年に渡る罪状業績がダイジェストでまとめられていました。
「おもしろいな、『こち亀』」
両津さんもだけど部長が面白すぎるわ。今何歳なんだろ部長。
まあ一話一話改めて読む気はしませんが。

そして肝心の本編も読みましたが、秋本氏が衰えたから引退、というわけではないのがよくわかりました。最終回というのに全然肩肘張ってないのがいいですね。引き際をわきまえた美しい終わり方だと思いました。

この際、久し振りにジャンプを端から端まで読んでやろうとチャレンジしましたが、慣れない事で脳味噌がオーバーフロー、早々に退散しました。若いパワーに圧倒されました。
漫画家って、これだけのアイデアを毎週詰め込んで絵まで描かなきゃいけない大変な仕事なんだなと改めて思いました。
そんな仕事を、若く元気な作品に包囲される中で40年続けた秋本さんを遅まきながら尊敬します。今までお疲れさまでした。

「まほろさんファースト」(5)

『まほろまてぃっく』の小説の続きです。




 私は郡司技術官に誘われるまま、連れ立って散歩に出かけた。

「一足先に来たはいいが、どうも時差ボケが酷くてな。まほろは大丈夫か」
「はい。今のところは」

 鋭い目つきの警備兵の慇懃な敬礼を受けて「KEEP OUT」の門をくぐり、閑散とした夜の桟橋を歩く。
 埠頭を流れる夜風が、ほんのり潮の薫りを運んでくる。

(あの日と同じ匂い……)

 美里司令と初めて対面した日の事を思い出し、私はクスリと笑った。

「ここまでの直行便、まほろが操縦してきたそうじゃないか」
「はい。訓練を兼ねて」
「そうかそうか。副司令の驚いた顔が目に浮かぶようだ。わっはっはっ」

 歩みを進めると、倉庫に遮られていた埠頭の全景が見えてきた。
 予想もしていなかった街明かりが目にとびこんでくる。
 いや、それは洋上に浮かぶ艦船たちの電飾だった。まるで海の上にまるごと一つ街ができたような。

「明日の作戦に参加する艦艇だ」
「これが全部」
「ああ」

 眼前に広がる、ここノーフォークの港に集結した各国の軍艦たち。
 その眺めは壮観の一言に尽きた。上空から眺めた時に艦隊の集結には気づいていたけれど、その時感じなかった圧倒的な威圧感がここにはあった。
 アメリカはもちろん、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、数年前まで西側の敵だったロシアの艦艇や、驚いたことに自衛隊の艦艇の姿までも。
 西半球最大とも言われる巨大な軍港が、今は各国の艨艟に彩られていた。ヴェスパーという一組織のため、それも表向きはサポートメカの輸送という地味な任務のために。

「まほろ、ここにいたか」

 その声に振り向くと、大門さんが後を追うようにやってきた。
 郡司さんは振り向きもせず皮肉たっぷりに声をかける。

「どうだったね、まほろとのフライトは」

 大門さんはヒクヒクと顔面をひきつらせた。

「お前さん、わざとしむけただろ?」
「ん、なんのことだ」
「しらばくれるな。まほろの訓練と知ってて俺を同乗させようとたくらむ奴が他にいるか」
「さあてな」

 しゃあしゃあと言ってのける郡司さん。
 二人が顔を会わせるといつもこうだ。

「で、どうだったね副司令。まほろの操縦技術は」
「そりゃあもう完璧だった」

 大門さんは自分のことのように鼻高々だ。

「なんなら帰りはお前さんが乗って帰ったらどうだ?」
「ふふん、見るまでもないわい」

(この二人、仲がいいのか悪いのか、時々わからなくなります)

 渡しそびれていた差し入れを渡すのは今だとばかりに、私は小わきに抱えた包みをほどいた。

「あの、よろしければ」
「何!?」
「これは…… まほろの手づくりか!?」
「まだ料理の方も修行中で、お口に合うかわかりませんが」

 そう私が言ってる先から、大の大人ふたりは奪い合うようにして差し入れをむさぼった。

(あ、他の皆さんの分……)

「美味い」
「美味いな」
「まほろが作ったんだからな」
「たいしたものだ。料理も、操縦も」

(他の皆さんには、どこかで食材を求めて作り直すとしましょう)

 けれど、私に一番求められているのは料理でも操縦でもない。
 そしてそれは明日試される。
 目の前に広がる艦艇と同じで、私も戦うために作られたのだから。

 それにしても。
 戦闘用として教育された私の目には、一見強力無比な艦隊のほころびも見えてしまう。
 イージス巡洋艦『タイコンデロガ』、駆逐艦『スプルーアンス』、ミサイルフリゲート『O.H.ペリー』……
 いずれもアメリカ海軍自慢のネームシップといえば聞こえはいい。が、裏を返せば実験艦的な性格を併せ持つ老朽艦ばかり。
 各国から派遣された艦艇も二線級の旧式艦が目立つ。旧ソ連の艦艇に至っては失礼ながら、ここまで大過なく航行してこれたのが不思議なほどだ。

「今回の作戦に、空母は参加しないのですか?」

 気になっていた事を、思い切って訊ねてみた。

「必要ないそうだ」

 郡司さんの表情は重い。
 大門さんも渋々頷く。

「だがな、これだけの艦隊を揃えてもらったんだぞ。我々は与えられたコマで作戦を遂行するしかない」
「しかしこのいびつな編成はなんだ。失敗してくれと言わんばかりではないか」

 郡司さんの口から不満が漏れる。

「成功させるしかないさ。各方面の支援が得られなければヴェスパーの存続は成り立たない。たとえ近衛財閥の後ろ盾があってもな」

 なぜだろう。
 我々ヴェスパーは地球を、人類を守るために戦っているのに。
 けれど大門さんの、郡司さんの表情を見ていると、私は何も言えなくなってしまう。私にはよくわからない様々な事情が、組織の上にのしかかっているのだ。
 私にとって、ヴェスパーは我が家同然。
 それがなくなるかもしれないなどと、今まで考えたこともなかった。
 その存続がかかるというなら、なおのこと全力を尽くさねばなりません。

 そんな事を思いながら、軍港に浮かぶ艦隊にまた目を泳がせた。
 埠頭の対岸に、ひときわ威容を放つ艦があった。

「あれか。老朽艦どころか骨董品だな」

 他を圧するその巨艦の名はBB-62・アイオワ級戦艦2番艦 『ニュージャージー』。
 齢五十にならんとする、時代錯誤も甚だしい大艦巨砲の権化。
 そこに近代化と称して巡航ミサイルや対艦ミサイル、銃身を鈍く光らせたバルカン砲といった現代兵器で武装したその姿は逆に痛々しささえ覚えた。

「あの艦も、今回の作戦に?」

 首を振る郡司さんにかわって大門さんが説明してくれた。

「交渉中だ。美里司令が、軍のお偉いさん方相手に」
「司令が?」
「そうだ、まほろ」

 突然、明るい口調で大門さんが切り出した。

「司令を迎えに行ってくれないかな」

 まるで今思いついたことのように副司令は言うのだ。
 興味をそそられ、私はつい尋ねた。

「司令は、今どこに?」
「ワシントンDCだ」
「それはいい。まほろが迎えに行けば、司令も喜ぶ」

 郡司さんが相槌をうつ。

「そうでしょうか」

 司令とのあの事を思い出して知らずふくれっつらになっている自分が恥ずかしくなり、私はぷいっと空を見上げた。
 軍港に艦隊の明かりがきらめくように、夜空には星明かりがまたたいていた。まるで空の上にもうひとつの艦隊があるみたいに。

(続く)


こんなのを書いてるせいで、「艦これ」の大淀さんの声がまほろさんにきこえて仕方ありません。
……大淀さんとまほろさんって、どっちが強いんでしょうね?

繊細な猛禽

フジミの1/72 一式戦闘機「隼」を製作中です。
今回は塗装の実験を兼ねてガイアカラー「純色」で重ね塗りを行っています。


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全体にサフを吹き、その上にMrメタルカラー「アルミ」を吹き、さらに機体上面にガイアカラー純色イエローを塗りました。
ここに、さらに純色グリーンを重ねます。

色を混ぜて使うのではなく、重ね塗りすることでの発色の違いを確かめてみます。



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この「ガイアカラー純色」は普通の塗料に比べて隠蔽力(下地の色を隠す力)が弱い、という特徴があります。
それを逆手にとって重ね塗りしてみたのですが、やはり混ぜて使うより綺麗に塗れます。
なんか「かなぶん」みたいな色つやですね。

このままでは戦闘機に見えないので、さらに純色シアンを重ね塗りしました。



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なんとか日本の戦闘機の色に見えなくもない。
少し綺麗すぎますが今回はこれでいきます。

ところで、下地に銀色(アルミ色)を塗ったのは、下地を綺麗にするためだけではありません。
あわよくば「ハゲチョロ塗装」にチャレンジしようという魂胆です。
ハゲチョロとは、塗装した色の上の部分を削り落とすことで下地の銀色を敢えて見せ、機体のくたびれた感じを表現することです。



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これが思いのほかうまくいきました。
このガイアカラー純色、隠蔽力が弱いだけでなく粘着力も弱いみたいです。マスキングテープをベタベタ張り付けてペリペリ剥がすと、結構いい感じに剥がれます。
(逆にマスキング時にはよほど注意が必要かと)
もう少し強力なテープも使ってペリペリしました。

ちなみに機首上面には黒を塗ったのですが、この部分は全く剥がれませんでした。
純色とそうでない色では特性が違うのだと思います。



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キット付属のデカールを貼りました。



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エナメル塗料で汚しを入れ、プロペラを付けて、一式戦闘機「隼」完成です!



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作って気づいたのですが、「隼」ってとても繊細な飛行機ですね。
エンジンは「えっ」と思うほど小さく、それに合わせた機体は鉛筆を思わせるように細く、そのわりに主翼は大きい。
馬力で勝負するのはあきらめて操縦性能で勝負、という明確なコンセプトが感じられるシルエットです。
写真じゃうまく伝わらないかもしれませんが、プラモを眺めると一目瞭然です。
やっぱり作らなきゃわからないこと、いろいろありますね。



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バッファローと並べてみました。
仮にも同じ時期に作られた戦闘機とは到底思えないほどコンセプトが違う機体ですね。
太平洋戦線での直接対決は「隼」が勝利しましたが、仮に戦場をフィンランドに移したら、華奢な「隼」は厳寒の北欧でロクに飛べないんじゃないかと想像します。


今回の「隼」の製作、とても楽しかったです。
(特に塗装が!)
飛行機の塗装にちょっと自信がつきました。
今回の経験を生かして、いずれまた別の機体にチャレンジしようと思います。



イッヒリーベレーベ(1)

こんばんは。
1/72「隼」を製作中のエトワ-ル☆です。
サクサクッと作ってしまうつもりでしたが、雨の日が続き塗装を中断しています。
とはいえプラモ好きの火種はくすぶり続けているので、ちょっと浮気して別のプラモも作ってみようかな、なんて。

実はこのところ、1/700の艦船プラモ用のエッチング手摺りをきらしていたのですが、それが手に入ったので。


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部品が手に入ったら組みたくなるのがモデラーの性。

ところがこの手摺り、いつも使ってる日本海軍用の「2段」手摺りじゃなくて「3段」でした。
まあ1/700のプラモじゃ違いなんかほとんどわからないのですが。

このエッチングの見本に写ってるプラモはどうみてもドイツZ級駆逐艦。なのでこれも運命と思い「Z級」を作ることにします。



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これまた年季の入ったキット。
元々は「グリーンマックス」という鉄道模型の会社から発売されたもので、それがピットロードを経て現在はタミヤから売られているという不思議キットです。
(私のはピットロードのパッケージ)

Z級といっても様々なバリエーションがあり、このキットはZ37~39用。しかし「艦これ」提督としてはZ1「レーベレヒト・マース」、Z3「マックス・シュルツ」のいずれかが作りたいわけでして。

幸いこのキットは2隻セットなので、1隻を素組みで、もう1隻は改造してZ1っぽく作ってみようと思ってます。
なにぶん手の遅い提督なので、のんびり組むつもりです。



「まほろさんファースト」(4)

『まほろまてぃっく』の小説の続きです。
涼しくなってようやく書けるようになってきました。
話の中ではまだ真夏なのにw
(いつもの事です)




 翌朝。
 きらめく朝焼け雲を背にして、私と椎名さんはだだっ広い駐機場を駆けに駆けていた。
 米軍と自衛隊が共有しているこの飛行場の一角をヴェスパーも間借りしているのだが、居候の悲しさ、目的のハンガーまでがやたら遠いのだ。

「椎名さん、急いでください」
「待ってよ、まほろぉ」

 陸上部に入れば余裕でレギュラーと思える椎名さんの快足も、さすがに私相手では分が悪い。

「こんな忙しいのに、お弁当なんか作ってるから」
「椎名さんも賛成してくれたじゃないですか」

 昨日の郡司さんの食生活や憔悴しきっている帆風さんを見てしまうと、せめてこれくらいはせずにいられなくて。だから貴重な時間を割いて作ったお弁当の包みを小わきに抱えて、私は駆ける。

 ヴェスパーの制服姿をした若い女性の二人連れ。そんな状況が物珍しいのか、たむろしていた米兵たちが口笛を吹いて手招きし、若い自衛隊員たちが控えめな笑顔で手を振る。
 椎名さんは慣れた手つきで手を振り返す。
 私も笑顔を返していたけれど、隊員たちの視線が椎名さんのたわわな胸に注がれていると気づいた私は、やにわにバンカー向かって全力ダッシュ!

「まほろったら。もう、待ってよお」

 ようやく辿り着いたバンカーで私たちを待っていたのは、白い機体の双発ジェット。民間機と見間違える外見とはうらはらに余裕でマッハを叩き出す高性能機だ。


「おはようございます」
「ただいま、到着…… しました…… ぜえぜえ」

 元気いっぱいの私と息の荒い椎名さんが二人して狭いキャビンに乗り込むと、

「おはよう」

 後部座席には既に大門副司令の姿があった。

「慌てることはないぞ。なにせパイロットがまだだからな」
「帆風さんは?」

 副司令が指さしたシートに深く沈みこみ、帆風さんが静かに寝息をたてていた。

「『シルフィード』の積み込みも済んでいる」

 『シルフィード』の調整が順調なら郡司さんと共に旅立っていたはずの帆風さん。夕べは徹夜だったのだろう、覗き見る寝顔は安らかというにはほど遠い。

(『シルフィード』の最終調整は向こうに着いてからですね)

 あるいはサポートメカなしで戦いに挑むことになる。私はそう覚悟を決めた。もっともどんな戦いが待っているのか、私には想像もつかなかったけれど。
 いま一度機内を見渡し、私は言った。

「全員搭乗ですね。では出発しましょう」
「だから言っただろう。パイロットの姿が見えんのだと」
「パイロットならここに」

 椎名さんが私を指さす。

「まほろが?」

 きょとんとした顔の副司令がヘンな声をあげる。

「お前、飛行免許なんか持っとったか?」
「なんというか、まだ仮免ですが」

 ヘッドセットを装着しながらも、私はもごもごと口ごもる。

「ほら、もっと自信持って」

 そんな私の脇腹を椎名さんがツンツンこづく。

「まほろ、チェックリストを」
「はい」
「おいおい、冗談じゃない。今からアメリカまで飛ぶんだぞ」
「あ、これ、飛行許可です」

 椎名さんはニコニコ顔で、副司令に一枚の紙切れを差し出した。

「この下手くそなサインは紛れもなく首領様の…… うむう」
「ご安心下さい。まほろの操縦技術は教官として保証します」

 椎名さんが、少々あてつけがましく言い足した。

「なにしろまほろの実戦投入がせかされるものですから、訓練の時間もこうしてやりくりしているわけでして」
「わかったわかった」

 その言葉を大門さんはけむたそうに聞き流す。

「離陸準備完了です」
「よし、行こうか」

 管制官と教官の許可を得て、私は操縦桿を握り滑走路に機体を滑らせる。

「わあ、シミュレーターと同じです」
「し~っ」

 椎名さんが唇に指を当て、そして副司令は青ざめる。

「ちょっと待て。まほろ、実機の操縦は初めてなのか?」

 寝ていた帆風さんが薄目を開けて答える。

「大丈夫ですよ。まほろの学習能力は人間のそれを遙かに凌駕してますから」
「そういう問題じゃないだろうが」

 のろのろとシートベルトを付ける帆風さんに副司令がくってかかる間、私の隣では椎名さんがてきぱきと指示を出す。

「まほろ、離陸したら高度8000まで上昇して訓練空域に向かって」
「了解です」
「インメルマンとバレルロールの教練がまだだったわね」

 顔に脂汗をしたたらせ、副司令が悲鳴に似た声を出す。

「そんな事は俺の乗ってない時にやってくれ!」
「いやなにしろ実戦化を急かされているもので」
「到着予定時刻に間に合わんだろうが」
「大丈夫です。訓練の後、ジェット気流に乗ってぶっ飛ばします」
「副司令。人間、あきらめが肝心ですよ」

 帆風さんがそう言いながらアイマスクを取り出した。

「まほろ、『シルフィード』は壊さないでね」
「お任せください」

 再び眠りについた帆風さんに太鼓判を押す。
 もっと繊細で壊れやすいお弁当も積んだのだ。うまく操縦しないと椎名さんは合格点をくれないだろう。これも訓練の一環だ。
 さあ、行きますよ。
 私は雑念を捨て、椎名さんに鍛えられそらで覚えた操縦技術を駆使してスロットルを開けるのだった。



 10時間後。
 私の操縦する機体は地球を半周し、予定時刻通りにアメリカ・バージニア州ノーフォークの地に降り立った。
 機体のチェックも早々に、私たち一行は広大な基地内の一室に呼ばれた。
 小さなブリーフィングルームにヴェスパーの関係者が揃った。副司令、技術官をはじめ十数人の選りすぐりのメンバー。 さらには肩に物々しい階級章をつけた海軍将校の姿もあった。
 けれど美里司令の姿はない。忙しいのは知っているが、ここでも会えないなんて。

 飛行機を下りたあとフラフラだった大門副司令が、別人のようにシャキンとした態度で海軍の面々を紹介し、椎名さんが流暢な英語で彼らに翻訳する。

「ここにいる者は信用のおける者ばかりだ。改めて今回の作戦について手短に話す」

 副司令の言葉に一同の姿勢が改まる。

「明日夕刻、我がヴェスパーのサポートメカ『V-1046 RX-TATSJIN』輸送のため、輸送船「オハイオ」がここノーフォークをたつ。イージス艦『タイコンデロガ』を旗艦とする艦隊がこれを護衛、我々の選抜メンバー十数名も各艦に分乗し警護の任につく」

 大門は一同を見回して言った。

「だが、この作戦はおとりだ」

 ちらり、とメンバーの顔色を見たが、誰一人表情を変えない。
 皆、この事をあらかじめ知っていたようだ。
 私以外には。

「輸送船がおとりとなり、近海を跋扈する正体不明の怪物をおびきだし、艦砲による一斉射撃でこれをしとめる」

 護衛作戦どころじゃない。これは完全な戦闘だ。
 私が呼ばれた理由が、ようやくわかった気がした。

 少将の階級章をつけた精悍な顔つきの将校が一歩前に立ち、言葉少なに決意を語った。

「対セイント戦のエキスパートである皆さんと共に戦える事を嬉しく思います。一連の事件では我が国の艦艇も少なからぬ被害を受けている。この借りは、明日の作戦で必ず返すつもりです」

 誠実そうな少将の顔に作戦遂行の決意が浮かぶ。
 副司令が頷き、言葉を継いだ。
 
「ヴェスパー本来の使命はしばらく脇に置いてほしい。今の我々に求められているのは、目の前のセイントの脅威を排除する事だ」

 副司令は語気を強めた。

「セイントを倒せるだけの実力を示さねば、我々の立場は危うくなる。今作戦にはヴェスパーの存続そのものがかかっているといっていい。だから必ず成功させねばならぬ。怪物をしとめ、その正体を白日にさらすのだ」
「はいっ!」

 一糸乱れぬ返答に、副司令は満足の表情を浮かべる。
 その後は各担当者による作戦説明が続いた。
 私の役目は「機動予備」。作戦が上手くいかなかった場合に臨機応変に対処する、要は後詰めだ。ヴェスパーの一員としては、私が必要とされる事態が起こらぬよう望みたいところだ。

(それにしても、なんで私だけおとり作戦の事を知らされてなかったのでしょう)

 少将と談笑を終えた椎名さんにそれとなくグチをこぼすと、

「はは~ん。さてはまほろ、信用されてないんじゃないの?」

 椎名さんはしたり顔で言った。

「どうしてです?」
「『まほろは口が軽い』って。あなた、司令がエッチな本を隠してた事みんなに言いふらしたでしょ」

 椎名さんはいつになくニヤけた顔をする。

「恵比寿でもここでも、今じゃその事知らない人いないわよ」
「それは…… おかしいですね」

 私は頬に指をあてて考えこむ。

「私はその話、椎名さんにしか言ってないのですが」
「え!? え~っと、そうだっけ? あは、あははは」

 ギクッとなった椎名さんが下手な口笛をふいてその場をのがれようとする。もう椎名さんたら。
 その時、

「まほろ。ちょっとつきあってくれるか」

 机の書類を片づけていた郡司さんが私に声をかけてきた。

(続く)





いくつになっても小説の構成を考えるのが下手でいけません。
小説を書く時に「アウトラインプロセッサ」というのが便利だそうですね。
どなたかお勧めのがあれば教えてください☆


プロフィール

雪山雪男

Author:雪山雪男
「艦これ」大好きな元「Answer×Answer」プレイヤー。
老眼と戦いながらプラモ作りに励んだり、気まぐれで小説を書いたりする日々です。

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