ヨシムラの60年

仕事疲れに夏バテが重なり、ブログを書く気にもなれない日々。
そんな言い訳をしながら、今ごろになって先週の8耐の事をご報告します。

今年の8耐は、とにかく暑かった!

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暑いのを承知で行ってるのですが今年の暑さは尋常じゃなかった。
金曜、土曜と砂漠にいるような日差しが容赦なく照りつけ、

「もう暑いのなんかイヤだ!」

そんなワガママな願いが天に届いてしまったか、日曜の決勝は直前にスタートが延期になるほどのゲリラ豪雨に見舞われました。
屋根のある席で観戦してたのに、横殴りの雨でズブ濡れ。持ち物はビショビショ。逃げ場もなく避難民さながらでした。
始まる前から大荒れ、始まってからも大荒れの大会でした。
(レースの詳細は割愛します)


それはともかく、今年はヨシムラ60周年。
POPこと故・吉村秀雄氏がヨシムラを創業して60年という記念の年でした。

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前夜祭のピットウォーク時、ヨシムラのピット前で配っていた紙製メガホンに描かれていたアニバーサリーのロゴ。
その傍らには、
「1978」 「1980」 「2007」 「2009」
と、勝利を表す4つの☆が誇らしげに描かれています。

第一回大会に参加し優勝して以来、8耐の顔ともいえるヨシムラ。
今年はそんなヨシムラの歴史を語る品々が展示されていました。



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ヨシムラの伝説を作り出してきたレーシングマシンの数々。
それらももちろん素晴らしかったですが、一番心惹かれたのは芸術作品かと見間違えるようなヨシムラのパーツ群でした。


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これは「スプロケット」といって、エンジンの駆動力をチェーンを通して後輪に伝えるための歯車。
パワーを伝えるため頑丈に。パワーをロスしないため軽量に。
それを追求した結果が、この穴だらけのスプロケです。
実物を目の前にすると、軽量化への執念が伝わってきます。
よくよく観察すると外周近くの小さな穴など等間隔ではなく手作り感たっぷり。
そこに却って、職人の無言の説得力が感じられる。
吉村秀雄という人は、やはり天才というより努力の人なんだなあ、と。

これを見た瞬間、私はゼロ戦設計者の堀越二郎を思い起こさずにはいられませんでした。
マシンの性能を限界まで引き出すため、グラム単位で軽量化を徹底する。
その高性能への思い、執念は、全く同じじゃないかと。


戦争の時代に育った吉村氏はパイロットに憧れ難関の予科練に入学、けれど不幸な事故でパイロットの夢を断たれて整備士の道を選んだと聞きます。
きっと堀越の生んだ戦闘機に触れ、そこから多くを学んだ事でしょう。
このスプロケを見る限りそうとしか思えません。
若き吉村整備士の手がけたヨシムラチューンの零戦とか、胸熱!
(「艦これ」で実装してくれないかなあ)

戦争は終わり平和が訪れました。
けれどパイロットの夢を捨てるという挫折を味わい、戦争で多くの友を失ったPOPにとって、レースとは自分の命を懸けた戦争そのものだった。
彼の壮絶な生きざまを見ていると、そう思わざるをえない。
その執念が、このスプロケに込められているように思いました。


そのヨシムラの今年の8耐は、区切りの年に相応しく2台体制。
1台はシュワンツ/辻本という往年の名コンビに青木宣篤という強力なサポートを得たレジェンドチーム。
もう1台は津田拓也を中心とした若手実力派チーム。
予選ではその津田が路面温度60度に迫る悪コンディションの中、2分6秒台を叩き出しポールポジションをもぎ取る快進撃を見せました。
レジェンドチームも宣篤の奮闘で予選トップ10に食い込む健闘。
サーキットを沸かせ、そして多くのヨシムラファンに期待を抱かせました。
あわよくば2台のヨシムラが表彰台に立つ光景が見られるかと。


しかし残念な事に、非常に残念な事に、決勝ではレジェンドチームが早々に脱落してしまいました。
同じヨシムラ同士のバトルの末、転倒という最悪のパターンで。
130Rでの派手な転倒だったのでマシンの修復もままならず。
宣篤の怪我も心配ですが、シュワンツも辻やんも決勝では1周もできず、今年の8耐の一番の見どころが早々に消えてしまい残念でなりません。


でも、宣篤を責めないでくださいね。とってもいい人なんだから。
(ていうかレーシングライダーっていい人ばかりです。ホントに)
友人が前夜祭で宣篤にサインをもらったんですが、その際サインと一緒にスナック菓子までくれたんですよ。
世の中にはCDを買ってようやくサインしてくれるアイドルグループもあるというのに、日本のトップライダーはサインをくれたうえにお菓子までくれるんですよ。なんてフレンドリーなんだ。



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これがそのスナックだよ~

そんな友人は決勝当日、転倒したゼッケン12をサーキットビジョンで見ながら、
「宣篤めぇ~」
と恨めしそうにムシャムシャ食べてました。
ええ、私が味見させてもらうヒマもなく。
このスナック菓子、えんどう豆をそのままフライドしたような見た目がとても美味しそうでしたが、近所じゃどこにも売ってません。
(友人曰く、宣篤の地元の群馬ローカルのスナックではないかと)
う~ん、是非一度食べてみたいです。


はっ、話が脱線してしまった。
そんなわけでヨシムラ的には残念な8耐でしたが、不屈の闘志で来年も頑張ってほしいです。
もちろん、また見に行きますよぉ!
(スナック菓子欲しいです)

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No title

 8耐観戦お疲れさまです。げすとえむです。
私も昔某メーカー(H社)に努めていた頃何度か8耐観戦に出かけた事があります。私が観戦していた頃は日本の4大メーカーでは唯一ワークスで参戦していたのはホンダだけでした。スズキはヨシムラを担いでセミワークス(たぶんロードレース重視で耐久レースのノウハウが無かったと思います)、カワサキは世界選手権重視で鈴鹿8耐には参戦せず、後年8耐が世界選手権に昇格してTVなどで取り上げられて話題になってから参戦しだした(たしか私も観戦した第3回大会から世界選手権に昇格したはず)、ヤマハにいたっては確か耐久レース事態に参加していなかったはずです。そんな状況なので当時はワークスチームのRSC(昔のホンダレーシング部門)VS最強のプライベーターといわれたヨシムラスズキの対決に割って入るチームはほぼ無かったように思います。
ちなみに世界選手権に昇格した初大会である第3回大会の優勝はヨシムラスズキの(W・クーリー/G・クロスビー)組でした。
 私はいつもヘアピンと最終コーナーを行ったり来たりしながら観戦していました。昔は最終コーナーの入り口にカシオトライアングルなど無くトンでもないスピードで最終コーナーに飛び込んでいくライダー達に鳥肌を立てながら観戦していました。
 エトワールさんのブログをよみながらそんな昔の思い出にひたっているげすとえむでした。

No title

げすとえむさん、お久しぶりです。そして感激であります。

>私も観戦した第3回大会

第3回って、ええ~っ!? そんな頃から8耐見に行ってるんですか。お見それしました。この点では一生頭があがりません。

>昔某メーカー(H社)に努めていた頃

バレバレですやん(笑
H社は、今は F.C.C. TSR Honda が事実上のワークスということでしょうか。FCCなんて昔は典型的なプライベーターだったのにねえ。
(その頃から好きでしたが)
他にもスズキではKENZとかカワサキでは月木とか、ワークスvsプライベーター、外人vs日本人と昔の8耐は見どころが多かったですね。

>ヤマハにいたっては確か耐久レース事態に参加していなかったはず

あのTECH21で参戦するまで、YAMAHAって全然耐久のイメージなかったですね。

>昔は最終コーナーの入り口にカシオトライアングルなど無くトンでもないスピードで最終コーナーに飛び込んでいくライダー達

その最終コーナーを徳野がドリフトで突っ込むわけですねw

いやあ、げすとえむさんとこんな話ができるなんて望外の喜びです。
ちなみに当時の鈴鹿はトイレも少なく風呂もなく観客にとっても「耐久」だったわけですが今は施設が格段に充実して過ごしやすくなってますよ。
あの暑さだけは相変わらずですが。

No title

 徳野正樹、懐かしい名前ですね。私が8耐を観戦していた80年代頃に活躍していた人ですね。
 80年代の初頭は若き日のW・ガードーナーやK・シュワンツ等が8耐で名前を売ってGPライダーになっていったと記憶しています。
 ただ、私がよく観戦していたのはその頃までで、80年代後半以降は何故か各メーカーがムキになりだし世界GPを走っているライダー達を投入しはじめ(あまり見る機会のないGPライダーの走りを見れるのは嬉しかったのですが)話題になりすぎた(某有名人チームや某化粧品チームが参戦したため)ので鈴鹿から足が遠のいていきました。(用は人が集まりすぎて観戦しずらくなったと言う事でしょうか)(笑)
 最近の鈴鹿の観戦事情はどうでしょうか?(施設等はだいぶ充実したようですが)私もまた機会があれば(体力がもてば・笑)観戦してみようかなと思います。
 

No title

げすとえむさん。お返事が遅れ申し訳ありません。

ガードナーもシュワンツも(クロスビーも?)8耐や日本のチーム、スタッフに見いだされて世界へ旅立っていったのですね。あの頃の日本のバイク界は輝いてましたね。

>人が集まりすぎて観戦しずらくなった

まったくです。あの頃はとんでもない賑わいでしたね。
私自身、ブームに乗っかって見に行った人間のひとりではありますが。

>最近の鈴鹿の観戦事情はどうでしょうか?

おおむね快適ですよ。ただ観客の高齢化が著しいです(笑
とにかくバイク自体が全然売れてない現状ですから。
逆に4耐のほうはアジアの若者にとってのレース登竜門として、ある意味活気づいているようで、結構なことだと思います。
プロフィール

雪山雪男

Author:雪山雪男
「艦これ」大好きな元「Answer×Answer」プレイヤー。
老眼と戦いながらプラモ作りに励んだり、気まぐれで小説を書いたりする日々です。

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