気に入った3冊(その1)

エトワ-ル☆です。
一時期は年に1、2冊しか読まない時期もあったのですが、ここ数年は人並みに本を読んでます。ブログでいちいち取り上げてませんが気に入った本も少なからず。
今思い出してみても『ダライ・ラマ自伝』『ちょっとピンボケ』『サボ島沖海戦』『死闘の駆逐艦』『海上護衛戦』などなど、ジャンルを問わず面白そうなものを幅広く読んでます。
(幅広くといいつつミリタリー物ばかりだな)

機会があればそういうのの感想も書きたいですが、さしあたってはこの数カ月に読んだ中で面白かった本を3冊取り上げたいと思います。
今回はこれ。



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『ドン・キホーテ』
セルバンテス作 牛島信明 編訳 岩波少年文庫


一年くらい前からこの小説が何故か気になっていたのですが、難しそうな古典ということもありなかなか手が出ませんでした。
去年の暮れに志摩スペイン村に行った時「ここなら『ドン・キホーテ』がどんな話なのかわかるだろう」と思ったのですが、アトラクションを見たら余計わからなくなりました。
今年に入ってコミックス版も読んだのですが、シッチャカメッチャカな話で何の理解も得られず。
埒があかないので図書館で腰を据えて本編を読もうとしたものの15分ほどで挫折。
そんな苦闘を続ける中、子ども向けに書かれたこの本に辿り着き、ようやく『ドン・キホーテ』がどんな話なのかある程度理解できた次第です。

私を含めて大抵の人にはこの話、「風車を怪物と間違えて戦いを挑むとんちんかんな老騎士の話」というイメージしかありません。
けど、数百年に渡って読み継がれてきた名作と言われる本だから、それだけではない奥深いものがきっとあるはず。
そう思って読んでみたら、やはり面白かった。
ストーリーうんぬんよりも、話の端々にみられる含蓄のある言葉に魅せられます。ぶっちゃけ、主人公のドン・キホーテとサンチョ・パンサの呑気な会話を読んでるだけで不思議と心が満たされます。
そういう意味では、これは小説と思って読むよりも、何も考えず書かれている言葉の味わいを楽しむ、そんな本じゃないかなと、私はそう思いました。

この本は正確な訳本ではなく、本編を1/6にまで抜粋した本です。というより訳者が入念に取捨選択し再編集した本です。
どんな素晴らしい小説でも数百年も経てば陳腐化するのは避けられませんが、訳者は過去の名作の本質だけを摘み取って絶妙にブレンドしたものを読者に提供してくれています。あとがきにその苦労がさらりと書かれていますが、本当に大変な仕事、そして素晴らしい仕事だと思います。
もちろん、本物の風味を知りたければ全訳本を読めばいいわけだし、そのとっかかりとしても、またこの本自体が完結した一冊の優れた本としての価値も持つ、そんな最良の一冊だと思います。

唯一の不満は、というか別に私は不満じゃないのですが、これが推奨年齢「中学以上」とか絶対ウソだろ。学校の図書館にこんなもん置いても生徒が見向きもしないのは請け合ってもいい。
作者が50才を過ぎてから書いたこの本は人生の酸いも甘いも噛み分けてきた人間が読んで贅沢なひとときを味わうためのものだと私は確信してますよ。
そういう意味で、これは「子供向け」という殻を被った、その実、私のような人間(=おっさん)のために書かれた本だと思います。訳者自身がそういう本の必要性を感じ、子ども向けという名目でこの本を創りあげたのだと私は思いました。



こういう本をあまり読んだことがないので、この本の良さをうまく伝えられないのがなんとももどかしいですが、今年読んだ本の中では間違いなく一番面白かったです。
(今年は半分残ってますが、そう断言できるレベル)

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雪山雪男

Author:雪山雪男
「艦これ」大好きな元「Answer×Answer」プレイヤー。
老眼と戦いながらプラモ作りに励んだり、気まぐれで小説を書いたりする日々です。

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