小旅行


休日、日帰りで地味な一人旅をしてきました。
場所は堺市。
あまりに近場すぎて、今まで観光で行く気にもなれなかった場所です。


きっかけは、電車の吊り広告で見た堺の古地図。
なにげなく見ていて驚きました。
今、自分が通っている町そのまんまなのです。
(私は現在、堺で働いてます)
駅から歩いてすぐのお堀とか、仕事場のすぐ近くの神社とか、今は路面電車が走ってる通りとかが、江戸の頃からほとんど変わってない。
なんだかむしょうにこの古地図がほしくなり、広告を眺めました。
「堺市博物館」。ここに行けば見れるのか。


仕事帰りに立ち寄るには中途半端に遠いので、休日に行きました。
わざわざ仕事場の近くまで出かけて行くのは少しヘンな気分ですが。
阪和線の「百舌鳥(もず)」駅を降りると、そこらじゅう古墳だらけ。



16112801.jpg
これも古墳。


16112802.jpg
あれも古墳。
なんか風景に溶け込んでます。

ここら一帯は「百舌鳥古墳群」といって古墳のたまり場になってます。
さて、目指す博物館は… 


16112803.jpg

ありました。もっとひなびたのをイメージしてたのですが。

博物館の中は、その名の通りに堺市の歴史についての展示がありました。
地元だから知ってるつもりだったのに知らない事もいろいろと。
特に驚いたのは、堺という港の重要性です。
船の技術が未熟だった昔は太平洋を航路として使えず、船が日本に来る際に都に一番近い港が堺だったそうな。
交易品のうち、鉄は重くて陸路を運ぶのが大変なので堺で加工し、それゆえこの地で金属加工の技術が栄えたのだそうです。
さらに堺の加工業は分業を旨としていたので技術が流出しにくかったのだとか。
そんなわけで戦国時代には鉄砲の生産で大もうけした堺ですが、江戸の平和な世になると鉄砲が売れなくなり、代わって作り始めたのが包丁(特に煙草包丁)なのだそうです。
繁栄を続けた堺でしたが、大阪に商都としての地位を奪われ、さらに大和川の治水工事の影響で河口に土砂がたまり港としての機能が衰えたのだとか。

は~っ、いろいろ勉強になりました。
(但し肝心の古地図はゲットできず)


せっかくだからもう少し堺の町を巡ります。
やっぱり堺といえば仁徳天皇陵。
今歩いてる目の前にあるはずですが、デカすぎて見えません。



16112804.jpg

お、あの高い塔から見えないでしょうか?



16112805.jpg

登れませんでした。
なんかフランクフルトに来たハイジを思い出しました。


めげずに、古墳に沿って歩きます。



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遊歩道の向こうの堀のその向こうに仁徳陵があるのですが、見えません。


堺市はこの一帯の古墳群を世界遺産にしようと働きかけているらしいですが、お目当ての天皇陵は全然見えないし、古墳を囲む金網には「立入禁止 宮内庁」とか書いてある。
立ち入る事も見る事もできない世界遺産に観光客が来るとは思えません。
まあ、妙に観光ずれしてないほうが私は好きですけどね。


せっかく観光に訪れたので、もう一カ所行ってみます。
なんでも、画家のミュシャの作品が数多く展示されてる施設があるそうなので。
来る前にざっと調べて来たので、なんとか辿り着けるでしょう。

私のケータイは地図も見れなきゃGPSもありません。
初めての場所を地図も持たず探索するのはドキドキします。私はこういうの大好きです。
(仲間に迷惑がかかるので、ひとり旅の時に限りますが)
思うにスマホが便利すぎるせいで、人の方向感覚、地理感覚はどんどん衰えてると思うのですよ。
だが私は別だ!

古墳の北端を過ぎて「けやき通り」という道に入りました。
そのまま歩き続けてお腹が空いた頃、前方に閑静な佇まいの白い塀に囲まれた建物が見えてきました。
おお、あれが美術館に違いない。私の感覚は間違ってなかった。



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よく見たら刑務所でした。
(どうりで閑静なはずだ)

気を取り直して歩き続けると、また私の感性をくすぐるものがありました。
このモダーンで瀟洒な建物。これこそ美術館に違いない。



16112808.jpg
斎場でした。
(堺の斎場は随分ハイカラですね)

自分の感性をようやく疑い始めた頃、美術館を見つけました。
駅前のなんの変哲もないビルの中にありました。



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なんでこんな所にミュシャの博物館があるのかというと、どこかの富豪の人が堺市に寄贈したんだそうです。

16112810.jpg

私は特別ミュシャのファンというわけではないですが、一流の画家の作品を身近で見るのはよいものですね。
階下で素人の人の絵も飾ってあったのを見比べて、なおさらそう思いました。



朝の9時前に家を出て、夕方には戻ってくるささやかな旅。
堺市の隠れた魅力をいろいろ知った一日でした。
と同時に、せっかくの魅力が活かされてないなあと思いました。
私が他府県に住んでいたとして、わざわざこの町に観光に来たいとは思いませんね、現状のままなら。
せめて仁徳陵を一望できる展望台があればいいのに。


ところで堺の古地図、どうすれば手に入るのでしょうか。

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雪山雪男

Author:雪山雪男
「艦これ」大好きな元「Answer×Answer」プレイヤー。
老眼と戦いながらプラモ作りに励んだり、気まぐれで小説を書いたりする日々です。

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