15年に一度の傑作

映画『この世界の片隅に』を見たのが今月8日。あれから二週間近く経ってます。
未だ興奮から覚めやらず、冷静になれません。
自室にいても電車の中でも、些細なきっかけで事あるごとにこの映画を思い出してる、そんな日々です。


自分はこの映画の感想を書くつもりなどさらさらありませんでした。
言葉で言い表す事などできないとわかっているからです。
耳を傾ける人に私が言えることは、

「いい映画だ。見ろ」

それだけです。本来なら。
しかし今、どうしても語らずにいられません。
語らないと、自分はこのままずっと金縛りにあったように動けないように思えるから。

今宵はとことん、この映画への思いの丈を書きます。
誰でもない、自分自身のために。








…と思っていろいろ書いてはみたのですが、

「やっぱ無理」

こんな映画を語るなんて。
モーツァルトの音楽をいくら言葉で褒めても虚しいのと同じこと。

そこを敢えてちょっとだけ語るなら、

「監督の6年間は無駄ではなかった」

片渕監督がこの映画に取り組んでから完成に至るまで、実にそれだけの歳月がかかっています。
理由は主に資金難なのですが。
でも、結果として、それだけの年月だけ熟成を重ねてきたから、この映画はこれだけ素晴らしいものになったんじゃないか。
監督の中のすずさんのイメージがその年月分だけ膨らんでいったから、これだけ豊かな映画になったのじゃないか。
そんな気がします。

ともあれ、監督お疲れさまでした。
よくぞあきらめず作ってくれました。
そして監督と同じくらい、監督を支えたご家族に敬意を表します。
奥さんが監督の作品に理解のある人で本当によかった。もしも「もうこんな事やめて!」とか言われてたら、そしてもし監督が折れてたら、私たちはこの映画を永遠に見ることはなかった。それを思うとゾッとします。

ヒロインのすずさんを演じたのんさんの演技も素晴らしかったですね。
各所で絶賛されてますが、私も完全に同意です。
これはきっと、頑張った監督を見て神様がご褒美をくれたんだと思います。
「なに寝言いってんだ」
と言われそうですが、私は過去にも二度、こんな奇跡を目撃してますから。
『天空のエスカフローネ』の坂本真綾さん。
『コメットさん☆』の前田亜季さん。
いずれも声優としては未知数ながら、いざ蓋を開けてみると、
「このキャラを演じるために生まれてきたのか」
と思える奇跡の配役でした。
奇跡も3度起こればもはや奇跡ではないといいます。
だからこれは必然なのです。とっても頑張った人のところには、天使が舞い降りてくるのです。



この映画、
「歴史に残るアニメ」「100年に一度の映画」「生涯で見た最高の作品」
などと最大級の賛辞が捧げられていますが、私的にはもう少し控えめに、
「15年に一度の傑作」
と言っておきます。
中途半端な褒め方ですが、自分にとっては真実なので。
アニメを見てこれほど感動するのは2001年の『コメットさん☆』以来です。
『コメットさん☆』は私の一番好きなアニメ。
「生涯これを超えるアニメには出会えない」
「俺のアニメ行脚はこれで終わった」
15年もの間そう思い込んでいた自分に、『この世界の片隅に』はとんでもない一石を投げかけました。
他のアニメ作品を、自分の一番好きなアニメと並べて語る日が来るなんて。
それは嬉しい驚きでもあります。
「俺、また旅をしていいのか?」
「これ以上が、まだあるのか!?」


『君の名は。』と『この世界の片隅に』
この2つのアニメを見て、私は、
「アニメはまだ進化し続ける」
という当たり前に気づきました。
この2016年、この2作が日本のアニメのターニングポイントになった。そう言って間違いないと思います。



そうそう。
『この世界の片隅に』を見終わってエンドロールが始まり、私はその時に眼鏡を外したのですが、その後にもちょっとだけ続きがありましたね。
私、眼鏡を外しっぱなしで、何をやってたのかさっぱりでした。

「お前はアホか!!」

いいえ、後悔していませんよ。
次に見る時のお楽しみです。
でも、もう一度映画館に足を運ぶのが怖いです。
一回目は泣きませんでした。が、あの時に私の涙腺ロック機構は破壊されました。
以来、些細な事ですぐ涙ぐんでしまいます。
だから次は泣きます。絶対泣きます。
夕べ動画サイトで予告編見ただけで泣きましたから。
泣くだけならいいけど、次に映画館に行った時自分がどんな振る舞いをするか予想できません。
まったく厄介な映画を見てしまったものです。
いっそ被害者の会でも立ち上げるか!?

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雪山雪男

Author:雪山雪男
「艦これ」大好きな元「Answer×Answer」プレイヤー。
老眼と戦いながらプラモ作りに励んだり、気まぐれで小説を書いたりする日々です。

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