私の好きなあるアニメ映画

ブログを始めてかれこれ7年あまりになります。
その間(自分でも驚いた事に)、一番好きなアニメ映画については一度も語った事がありませんでした。
(念のため自ブログ検索してみたら一言も触れてなかった)

『この世界の片隅に』に出会った今となっては必ずしも「一番好き」と言えなくなってしまったそのアニメ。もっと早くに語っておくべきだったそのアニメを、今宵は遅まきながら語りたいと思います。



そのアニメを最初に見たのはいつなのか。
(おそらく夏休みにTVでやってたのだと思います)
初めて見たそのアニメには、とても不思議な印象を受けました。
それはどこかディズニー映画のようであり、当時ハマりまくっていた宮崎アニメのようでもあり。それでいてどちらとも違う独自の魅力を持っていました。
以来、夏休みに再放映でやるたびに「いいアニメだなあ」と思って見ていました。
それが自分が生まれる前にソ連で作られたアニメ映画だという事は後から知りました。
それが『雪の女王』というアニメです。


『雪の女王』には『白雪姫』をはじめとするディズニー映画の影響が強く感じられます。
24コマ撮りのいわゆるフルアニメーションを多用し、特にラスボスともいえる女王の動きは当時のディズニーに勝るとも劣らず、今のレベルで見ても相当なもの。アニメにおいても「西側に負けないぞ」という冷戦期らしい対抗心を感じます。

そう書くと、いかにも社会主義的な話のアニメを連想されるでしょう。
が、そういう要素は驚くほど少ない。
物語の案内役の妖精が要所要所で教訓めいた話をするあたりに古くささは感じますが(なにせ60年前の作品です)、話の中身に社会主義らしさは皆無といっていい。
当時のソ連ではアニメは子供向けのものと軽く見られ、思想統制が緩かったという裏事情もあったようです。



冒頭で「どこか宮崎アニメらしさを感じる」と書きましたが、『雪の女王』は若い頃の宮崎駿が多大な影響を受けた作品として、知る人ぞ知るアニメです。
話の前半に出てくる魔法使いのおばあさんなどは、知らない人が見たら「ジブリの新作か?」と見間違えるだろうレベルだし、中盤に出てくる山賊の娘なども、宮崎アニメにちょくちょく出てくる気の強い女の子の原型にも見えます。
(この山賊の娘、私は大好きです☆)

そういった見た目もさりながら、何より宮崎監督が『雪の女王』に影響を受けたのは間違いなくヒロインのゲルダです。
かわいく愛らしく、そして何よりもその一途さ、けなげさ。
そして宮崎作品に出てくるヒロインも例外なく一途でけなげです。
(二股かけるクラリスとか、浮気しまくるシータちゃんとか、想像さえできません)
ゲルダこそ宮崎アニメのヒロインの原点であり、宮崎さんは継承者としてひたすら忠実にヒロインの一途さ、けなげさを描き続けた。

と、同時に私は思います。
宮崎さんが描いたどのヒロインも、ある意味ゲルダには及ばないと。

今なおラナちゃんを、シータちゃんをこよなく愛する私にはとても言いづらい事ではありますが。


ゲルダは超能力も持たないし王族の末裔でもありません。
何の力もない普通の女の子です。
宮崎アニメのヒロインは一見か弱く見えてもある種のバイタリティ、意地悪く言えば目的の為には手段を選ばぬしたたかさを持ってますが、ゲルダはそういう意味での強さは持っていません。
(間違っても男の股間を蹴り倒したりはしない)

彼女が持っているのは、カイを思う一途な気持ちだけ。
けれどそんな彼女の心が、旅先で出会う人の心を動かしていくのです。
彼女のあまりに純粋な気持ちに触れて、この娘を助けたい、力になりたいと思わずにはいられない。
この物語は人の持つ優しい心を信じる気持ちに貫かれています。
これほどまでにシンプルでピュアな話を、私は知りません。



作品に惚れて原作も読みましたが、翻訳が悪かったのか原作の方はほとんど心に残りませんでした。名作揃いのアンデルセン童話の中で『雪の女王』は特別な位置を占める作品だとは私には思えません。
そのわりに何度も映像化されていますが、それは原作がすばらしいというより、ひとえに1957年に作られたこのアニメに触発されての事だと思うのです。
『アナ雪』は見ていないので評価は控えますが、ディズニーのスタッフもこのアニメを知っているはずです。『アナと雪の女王』と敢えてタイトルを変え、原作を大幅に改変したのは、この名作アニメへの対抗意識があったからこそだと私は思っています。



さすがに今の目で見ると古くさい部分もありますが、『雪の女王』は文句なしに私のお勧めアニメです。
…私自身はVHSでしか持ってないのでおいそれと見れないのが残念ですが。

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雪山雪男

Author:雪山雪男
「艦これ」大好きな元「Answer×Answer」プレイヤー。
老眼と戦いながらプラモ作りに励んだり、気まぐれで小説を書いたりする日々です。

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